大学進学は経済的な負担が大きく、高校卒業後進学したいけど大学は経済的に難しいな~と悩んでいる方も多いと思います。

 

そこで、

ただで大学に行けたらいいのに・・・。

という思いを叶えられる?かもしれない

   給与をもらいながら学校で学べるという「大学校」最近は注目を浴びています。

 

  • 奨学金や教育ローン等授業料のことで、頭を悩ますことがない。
  • 将来の職業に結びつく。
  • 給与が支給される

 

 

という夢のような条件で進学できる「大学校」。

 

知っている人は知っている。

知らない人は知らない。

という存在です。

 

今回は、そんな「大学校」をご紹介します。

 

 

 

「大学校」とは

 

 

ここで言う「大学校」は文部科学省以外の省庁が所管する大学校です。

 

「大学校」という名前は、専門学校など様々な施設が使用しているので混同される場合もありますが、

学校教育法以外の法律によって特別に規定されている高等教育訓練機関を「省庁大学校」

と呼んでいます。

 

この「省庁大学校」の中でも

  • 各省庁に採用になって職員の身分で給与の支給を受けながら授業料無料で教育を受けるタイプ
  • 他の大学等と同じように純粋に学生として授業料を払って授業を受けるタイプ

の2つがあります。

 

今回はこの、授業料無料で教育を受ける大学校について見ていきます。

 

 

給与の支給を受けながら授業料無料で教育を受けるタイプの特徴

 

この大学校は職業に直結していて、入学と同時に国家公務員として給与が支給されます。

幹部候補生養成を目的としている所が多く、入試の難易度は高く、競争率も高くなっています。

そして、将来の職業と直結しているので、本人には大学等よりもしっかりとした目的意識が求められます。

 

募集時期は他の大学等よりも早めになっていますので、日程をしっかりと把握して準備されるといいでしょう。

 

 

授業料無料の「大学校」の一覧

 

 所管 学校  修業年限 オープンキャンパス  出願期間 所在地
防衛省  防衛大学校 4年 3~8月複数回「防大ツアー」 9月、1月(後期)推薦、一般あり 神奈川県横須賀市
防衛医科大学校 6年 7月に1回 9月 埼玉県所沢市
海上保安庁 海上保安大学校 4年6ヶ月 6月学生祭、7月 8月頃  広島県呉市
気象庁 気象大学校 4年 8月要申し込み 8月頃  千葉県柏市
国土交通省 航空保安大学校 2年 年2回 7月頃  大阪府泉佐野市

 

現在、省庁所管の大学校で授業料が無料になる機関をあげています。

出願期間が3校を除いて7~9月になっています。

他の大学等の受験がまだ始まっていない頃です。

願書の取り寄せから早めの準備が必要です。

 

それぞれの大学校を具体的に見ていきましょう。

 

 

防衛大学校

  • 将来の自衛隊の幹部自衛官を養成する制度。
  • 広い視野を持ち、科学的な思考力を養い、豊かな人間性を養うと同時に、自衛隊のリーダーとなるため、部下への思いやりや組織を動かす技術も学ぶ。
  • 人文・社会3学科、理工学11学科
  • 教育課程と訓練課程があり、1年次に陸海空自衛隊の相互機能を学ぶ。2年次からは指定された陸海空の各要員として分かれる。
  • 本科卒業生には、学位(学士)が授与される。
  • 卒業後は陸海空の各自衛隊の曹長に任官。 →  幹部候補学校に入校し、1年後3等陸・海・空尉に昇任。
  • 待遇:毎月学生手当約113,000円(平成29年2月1日現在)、年2回期末手当支給。*学生手当は改正される場合あり。
  • 入学金及び授業料の納入はない
  • 償還金:卒業後6年を満たないで離職する場合は、授業料等の返還が必要
  • 全寮制。宿舎は無料。食事・衣服類は支給又は貸与。
  • オープンキャンパス:3~8月で複数回「防大ツアー」を実施。
 (参考:防衛大学校
 
 
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防衛医科大学校

  •  将来、医師である幹部自衛官(医師、保健師、看護師)となる者を養成する制度。
  • 医師としての知識や技能のほかに、生命の尊厳への理解や幹部自衛官としてあらゆる任務を遂行できる強靱な体力も養う。
  • 医学科(6年)と看護学科(4年)。
  • 医学科では1年次に一般教養、1年次後半から6年次まで専門科目を学ぶ。
  • 身分:防衛省職員(特別職国家公務員)ただし、看護学科の技官コースは特別職国家公務員(非常勤職員)。
  • 卒業生には学士もしくは博士の学位が授与される。
  • 卒業後は医科幹部候補生(曹長)となり、約6週間、各自衛隊の幹部候補生学校で幹部自衛官として必要な教育訓練を受けたうえ、医師国家試験に合格した者には、医師免許が与えられるとともに幹部自衛官(2尉)
  •  待遇:毎月学生手当約113,000円(平成29年2月1日現在)、年2回期末手当支給。*学生手当は改正される場合あり。
  • 入学金及び授業料の納入はない。
  • 償還金:卒業後勤務年限が9年を満たないで離職する場合は、卒業までの経費を償還。償還金の額は隊員としての勤務期間によって決定される。(看護学科は6年)
    例)平成25年3月の卒業生の償還金最高額4,603万円
  • 本人の医療費は、防衛省の病院等で受診した場合はすべて国が負担。*待遇は身分によって違いあり。
  • 衛省共済組合の組合員となり、各種の給付を受けたり、宿泊関連・レジャー施設などを利用することができる。
  • 全寮制。宿舎は無料(技官コースは有料)。食事・衣服類は支給又は貸与。
  • オープンキャンパス:7月に1回実施。予約必要。

(参考:防衛医科大学校

 

 

海上保安大学校

  •  映画「海猿」で人気となった海上保安庁の幹部職員を養成する機関。
  • 一般の大学との共通点もありながら海上保安業務の職責を全うする資質を培う為、①優れた人格とリーダーシップの育成、②高い教養と見識の修得、③強靭な体力・気力の鍛錬の3つを教育方針とする。
  • 教育期間は本科4年、専攻科6カ月の合計4年6カ月間
  • 法律関係や海上保安行政関係の学問を、2年次から航海・機関・情報通信いずれかの海事系、3年次は警察学又は安全学を選択し専門知識の知識の修得をする。
  • 専攻科では世界一周の航海実習や犯罪捜査、海難救助等業務に直結した実務を学ぶ。
  • 専攻科終了後、研修科国際業務課程をへて初級幹部として巡視船で勤務、陸上・海上勤務を経験して幹部の道を進む。
  • 希望と適性により、航空機のパイロットとしての教育を受けた後、航空要員として海上保安業務に従事することもある。
  • 海上保安大学校を卒業すると、海上保安官(三等海上保安正)に任官される。
  • 卒業生には学士(海上保安)の学位が授与される。
  •  待遇:毎月給与支給。年2回ボーナス支給。食費・教科書代・所得税・共済費等差し引く。
  • 入学金及び授業料の納入はない。
  • 全寮制。学内生活で必要な制服・寝具は貸与教科書・食費・身の回り品等は自己負担。
  • オープンキャンパス:6月の学生祭、7月。

(参考:海上保安大学校

 

 

気象大学校

  •  将来の気象庁の中核となる職員を養成するための機関。
  • 気象業務の基盤となる地球科学、基礎学術、一般教養、防災行政など気象業務への理解を深める科目を教授し、将来幹部職員として気象業務に関する技術開発や企画・指導を行うことができる人材を育成する。
  • 大学部(4年)と研修部(1年)あり。
  • 身分:気象庁職員として国家公務員の一員。
  • 卒業後は、本庁や地方気象台などに配属され、気象、地震・火山、海洋等の観測、予報、防災、調査、技術開発等の業務に従事。
  • 卒業生には学士(理学)の学位が授与される。
  •  待遇:毎月給与141,424円(地域手当を含む、平成24.4.1現在)、年2回の期末勤勉手当、及び諸手当支給。
  • 入学金及び授業料の納入はない。
  • 国家公務員共済組合員として医療制度、年金制度等の保障が受けられる。
  • 定員:60名 (卒業生と在校生を加味して毎年採用人数の変動あり。)
  • 基本寮生活。寮費は無料。ただし教科書代、食費等は自己負担。
  • オープンキャンパス:8月に1回実施。事前申し込みが必要。「実験体験」は抽選。

(参考:気象大学校

 

 

航空保安大学校

  •  国土交通省航空局の航空保安職員を養成する機関。
  • 「航空情報科」、「航空電子科」があり、それぞれ2年間の研修。
  • 卒業後、全国の航空官署に配属され、所定の研修の後、「航空管制情報官」「航空管制通信官」「航空管制技術官」に任命される。
  • 「航空管制官」になるためには大学卒業程度の人対象の「航空管制官基礎研修課程」(1年間)がある。
  • 航空保安大学校を卒業しても学位の取得はできない
  • 土日祝日を除いて平日はぎっしりカリキュラムが組まれており、8月に1週間程度の休暇がとれる。
  • 卒業後の勤務地は全国の官署が対象となるため数年毎に転勤がある。
  • 待遇:月約150,000円、ボーナスや各種手当支給。
  • 受験料・授業料ともに無料。
  • 全寮制。各部屋個室。寮費無料。食費・光熱費等は自己負担。
  • 在学中に受験する指定の国家資格の受験料は無料。
  • オープンキャンパス:年2回

(参考:航空保安大学校

 

 

オープンキャンパスのすすめ

オープンキャンパスは大学等でも、できれば行かれることをすすめますが、「大学校」に関しては特に進学する本人が絶対やりたくない仕事でなければ一度行ってみられるといいでしょう。

 

大学等のオープンキャンパスでは、これから学ぶ学問についてや学生生活を見学にいかれると思います。

 

ですが、「大学校」では公務員となって教育を受ける機関ですので、やはり自分の将来を仕事と絡めて具体的に思い描く助けになるのではないでしょうか。

 

 

学生本人も

   「やってみたい!」

   「この仕事は、嫌だ!」

 

と、具体的に自分の心が揺れ動くと思います。

 

 

そうすることで、そこから真剣に

 「大学校」に行くために勉強に励む

もしくは

 他の進路を具体的に考える材料の一つ

になってくるか、

  進路を考えるいいキッカケになるのではないでしょうか

 

 

特に、将来の進路を決めかねている子供さんも、オープンキャンパスに行かれることをオススメします。

大学校は願書出願が7~9月になっていますので、高校3年時点で決断していては間に合わないかも知れません。

できれば、高校1~2年の時にオープンキャンパスに参加して、大学との違いを親子で話し合っていかれるといいと思います。

 

1~2年生の時期は部活動で忙しく本人も受験モードではないので、日程を合わせるのが難しいかもしれませんが、何とか実現できるといいですね。

 

 

まとめ

 

 

今回は、大学の授業料が無料で給料まで支給される「大学校」をご紹介しました。

大学と名前が付いていますが、就職をしたうえでの教育と訓練という形です。

 

大学を卒業しても自分の希望する仕事に就けるかどうか定かでない時代。

もし、自分の将来の希望に沿う大学校があれば、授業料が無料で給料が支給されるこの「大学校」は大きなチャンスになり得るでしょう。

 

でも、将来の自分がまだハッキリ見えていない子供さんにとっては進学だけを見ると「それはないな」ってなるかもしれません。

ですが、内容を知ることで興味が持てる仕事があるなら、是非挑戦されてみるのもいいのではないでしょうか。

 

我が家の長男にも海上保安大学校を薦めたりしましたが、海が苦手でどうしてもイヤだというので諦めた経緯があります。

 

「大学校」は各省庁の職員に採用された形で学生生活をスタートします。

ですので、大学とは違って規制も多く、職員としての規律も求められます。

大学にはないトラブルもあり、一部報道で取り上げられる事もあります。

 

そして、採用された後から進路の変更ができないことはないですが、難しいのは否めません

 

「大学校」は教育機関としては申し分ない恵まれた環境であることは言うまでもありません。

 

良い面ばかりを見て進路を決めるのではなく、あえて悪い情報も集めた上で十分考えて進路の決定をしていかれるといいのではないでしょうか。

 

進路を選択する際の参考になれば幸いです。

 
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