貸与型の奨学金の申込みをする時は、誰かに保証してもらう必要があります。
具体的には、「機関保証」か「人的保証」のどちらかから選択することになります。
学校の説明会等で「機関保証」の保証料の額を示されるとやはり
高い!!
という印象を受けます。
それと同時に、漠然と高いと感じてるけど
・総額いくらになるのか
・いつ払うのか
よくわからない方も多いのではないでしょうか?
今回は「機関保証」の保証料について、整理しながら見ていきたいと思います。
目次
「機関保証」と「人的保証」
奨学金の「保証制度」としては2つの選択肢があります。
|
上記の2つの保証からどちらかを選択することになります。
ただし、第一種奨学金で「所得連動返還方式」に申込む場合は「機関保証」の選択が必須になっています。
⇒ 第一種奨学金の返済【所得連動返還方式】の内容と手続きについて
「人的保証」についてはこちらで解説しています。
⇒ 奨学金【人的保証】連帯保証人と保証人は誰に頼むのか?必要書類は何?
今回は、「機関保証制度」についてです。
「機関保証制度」とは
日本学生支援機構の奨学金の貸与を受ける際、保証機関が連帯保証する制度です。
そして、保証料を支払うことで「連帯保証人」と「保証人」を立てずに奨学金の申込みをすることができます。
万が一、奨学生が奨学金の返還を延滞した場合は保証機関が奨学生に代わって残額を一括返済します。
そして、その後、保証機関が奨学生にその分の返済を請求するというしくみになっています。
「機関保証」の保証料
奨学金の「機関保証」の保証料は
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によってそれぞれ違っており細かく設定されています。
「機関保証」の保証料の目安と振り込まれる貸与額
又、保証料は短大、大学、大学院等で細かく設定されていますが今回は例として「大学に絞って」4年間貸与を受けた場合を見ていきます。
<第一種奨学金>
貸与月額(円) | 貸与期間(月) | 貸与総額(円) | 保証料月額(円) | 振り込まれる貸与月額(円) | 保険料総額(円) | 振り込まれる貸与総額(円) | ||
国公立 | 自宅 | 45,000 | 48 | 2,160,000 | 1,515 | 43,485 | 72,720 | 2,087,280 |
自宅外 | 51,000 | 48 | 2,448,000 | 1,821 | 49,179 | 87,408 | 2,360,592 | |
私立 | 自宅 | 54,000 | 48 | 2,592,000 | 1,928 | 52,072 | 92,544 | 2,499,456 |
自宅外 | 64,000 | 48 | 3,072,000 | 2,666 | 61,334 | 127,968 | 2,944,032 | |
国公私立 | 30,000 | 48 | 1,440,000 | 947 | 29,053 | 45,504 | 1,394,544 |
(平成29年4月現在)
第一種奨学金を国公立大学、自宅外通学で月々の貸与額51,000円の場合
- 月額から差し引かれる保証料は1,821円。
- 貸与総額2,448,000円 保証料総額67,408円。
- 振り込まれる貸与総額2,360,592円 になります。
<第二種奨学金>
貸与月額(円) | 貸与期間(月) | 貸与総額(円) | 保証料月額(円) | 振り込まれる貸与月額(円) | 保証料総額(円) | 振り込まれる貸与総額(円) |
30,000 | 48 | 1,440,000 | 1,121 | 28,879 | 53,808 | 1,386,192 |
50,000 | 48 | 2,400,000 | 2,117 | 47,883 | 101,616 | 2,298,384 |
80,000 | 48 | 3,840,000 | 4,320 | 75,680 | 207,360 | 3,632,640 |
100,000 | 48 | 4,800,000 | 5,400 |
94,600 |
259,200 |
4,540,800 |
(平成29年4月現在)
<入学時特別増額貸与奨学金>
貸与額(円) | 貸与期間(月) | 貸与総額(円) | 保証料総額(円) | 振り込まれる貸与額(円) |
100,000 | 1 | 100,000 | 1,025 | 98,975 |
200,000 | 200,000 | 3,938 | 196,062 | |
300,000 | 300,000 | 6,816 | 293,184 | |
400,000 | 400,000 | 12,604 | 387,396 | |
500,000 | 500,000 | 15,755 | 484,245 |
(平成29年4月現在)
入学時特別増額貸与奨学金の貸与は一回だけですので、保証料の支払いも貸与を受ける時に一回だけ支払うようになります。
保証料の支払い時期
保証料は、返還期間(最長20年)の分も含めて貸与期間中(大学の場合は4年間)に先払いで支払うようになっています。
保証料の支払いは、毎月の奨学金から差し引く方式で、日本学生支援機構を通じて保証機関に送金されます。
ですので、貸与を受けている間、貸与額から保証料を差し引いた額が振り込まれます。
上記の表で大まかな金額を示していますので参考にしてください。
ここで、確認しておいていただきたいのは、保証料を返還している間ずっと、保証料を毎月支払わなければならないと勘違いされる方がいらっしゃいます。
そのようなことはなく、保証料は貸与額から毎月先に差し引かれ、返還がはじまる時は保証料の支払いは終わっている状態になっていますので、安心してください。
「機関保証」の保証料の支払い総額
「機関保証」の保証料のの支払総額は
機関保障の保証料の目安額(月額) X 貸与機関(月数) = 「機関保障」の保証料総額 |
となっています。
今回、簡易的に上記の表に総額を記しています。
参考になさって下さい。
この保証料は毎月の貸与額から差し引かれますので 日本学生支援機構から振り込まれる金額は貸与される額の満額ではありません。
毎月振り込まれる貸与額の大体の金額は下記のようになっています。
貸与額(月額)ー 機関保証の保証料の目安額(月額) = 振り込まれる貸与金額の目安額(月額) |
今回は、大学を例に表に示しています。
保証料の目安は日本学生支援機構のホームページで見ることができますので、その他の学校の方は上記の計算方法で計算してみて下さい。
「保証機関」を利用する場合の必要書類
奨学生申込時
- 「確認書兼個人信用情報の取扱いに関する同意書」(本人の自署捺印。本人が未成年の場合は親権者の自署・押印が必要)
奨学生採用時
- 「返還誓約書」(本人の自署捺印。ただし本人が未成年の場合は親権者の自署・押印が必要)
- 「保証依頼書」
- 「住民票」
貸与終了前
- 振替用口座(リレー口座)の準備をする
- 「口座振替(リレー口座)加入申込書」の「預・貯金者控」のコピー提出
まとめ
奨学金の貸与を受ける時、保証人をどうするか頭を悩ます問題の一つです。
何方かにお願いできる状況であれば、保証料もかからず済みますし、保証料が奨学金から差し引かれることもありません。
ですが、貸与から返済までの長い年月の間何が起こるか分かりません。
本人の意思ではどうしようもない事が起こって保証人に請求がいくこともあり得ます。
我が家では、もちろん「機関保証」で奨学金の貸与を受けました。
子供は自分の奨学金から保証料が差し引かれているので、「人的保証」を頼める人を探して欲しいと言っていましたがやはり万が一の事を考えると「機関保証」に頼らざる負えないのが現状でした。
各御家庭で、状況は様々だと思います。
それぞれの環境でベストな選択をする参考になれば幸いです。
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